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【2025年最新版|後編】オンライン面接の課題を解決する改善策|構造化面接とプレゼン型コミュニケーション

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2025.09.18

公開日:2021年06月05日
更新日:2025年09月18日

※本記事は前編の続きです。まだご覧になっていない方は、ぜひ先にこちらからご確認ください 。
【2025年最新版|前編】オンライン面接で伝わらない理由と改善策|面接官がやりがちな失敗10選

前編の振り返り

前編では、オンライン面接のメリットと課題を整理しました。
「コスト削減や応募ハードルの低下」などの利点がある一方で、

  • 熱意や人柄が伝わりにくい
  • 通信ラグや沈黙の違和感で会話がスムーズに進まない
  • 照明やカメラ環境で印象が大きく変わる

といった“伝わらない問題”が明らかになりました。

今回は、その課題を解決するために注目される 構造化面接プレゼン型コミュニケーション を詳しく解説します。
どちらも「オンラインならではの課題」に対応する強力な武器です。

構造化面接とは?オンラインとの相性が良い理由

構造化面接とは、質問内容と評価基準を事前に統一し、すべての候補者を同じ条件で評価する手法です。

従来の非構造化面接(雑談ベースで進める自由な面接)は柔軟性がある一方、

  • 面接官によって質問内容が異なる
  • 評価が「印象」に大きく左右される
  • 候補者によって与えられるチャンスに差が出る

といった不公平さが避けられませんでした。

一方、構造化面接では:

  • 全員が同じ質問を受ける
  • 明確な評価基準に基づいて採点される
  • 録画データと評価シートを照らし合わせて確認できる

という特徴があり、オンラインで不足しがちな「非言語情報」を補う代わりに、データで公平性を担保できるのです。

構造化面接のメリット

  1. 公平性の向上
    面接官の主観に左右されにくく、候補者を比較しやすい。
  2. 透明性の確保
    候補者からも「フェアに扱われている」と信頼されやすい。
  3. 録画との相性が良い
    後から見直しても同じ基準で評価できる。
  4. 採用スピードの改善
    質問と評価が標準化されているため、合否判断がスムーズ。

構造化面接の導入ステップ(基本編)

  1. 評価基準を設定する
    企業文化や職種に応じて、求める能力を明確にします。
    例:論理的思考力/課題解決力/チームワーク/カルチャーフィット
  2. 質問項目を統一する
    候補者全員に同じ質問を投げることで比較が容易に。
    例:
     - 「成果が出なかった経験と、そこから学んだことは?」
     - 「チームで意見が対立したとき、どのように解決しましたか?」
  3. 深掘り質問を準備する
    表面的な回答で終わらせないために、追加質問を事前に用意。
    例:「なぜその方法を選んだのか?」「他の選択肢はあったか?」
  4. 評価シートを作成する
    質問ごとに5段階評価+コメント欄を設ける。
  5. 面接官間で基準を共有する
    事前にロールプレイを実施し、評価のブレを最小化する。

事例:構造化面接の実践成果

ケース1:大手コンサルティング会社

導入前は「面接官によって評価が真逆」という事例が多発。
導入後は評価の一貫性が向上し、入社後3年定着率が20%改善

ケース2:外資系メーカー

海外拠点を含む採用で文化差が課題。構造化面接を導入した結果、国籍や文化の違いを超えて公平な評価が可能に。

ケース3:地方の中小企業

オンライン+構造化面接を取り入れ、全国から応募が増加。
「録画を経営層に見せながら説明できるので、採用判断が透明になった」との声も。

プレゼン型コミュニケーションとは?

オンライン面接で頻発する悩みの一つが、「会話のテンポが噛み合わない」ことです。
通信のラグや表情の見えにくさが原因で、

  • 話がかぶる
  • 沈黙が気まずく感じられる
  • 相手の反応が薄く見える

といった違和感が生じやすくなります。

そこで有効なのが 「プレゼン型コミュニケーション」
これは、キャッチボール型の会話ではなく、応募者にまとまった時間を与えてストーリーとして回答してもらう形式です。

プレゼン型の流れ

  1. 面接官が明確な質問を提示
    例:「学生時代に最も力を入れた経験を3分で説明してください」
  2. 応募者がストーリー形式で回答
    • 結論
    • 背景と課題
    • 行動(どう取り組んだか)
    • 結果と学び
  3. 面接官が最後にまとめて質問・フィードバック

👉 この形式を取ることで、会話のかぶりや沈黙の違和感が激減し、回答の内容も深く整理されます。

良い回答例と悪い回答例

悪い例

「アルバイトを頑張りました。大変でしたが楽しかったです。」
→ 抽象的で評価につながらない。

良い例

「飲食店のアルバイトでスタッフ不足の課題がありました。私はシフト管理アプリを導入し、欠員を減らしました。その結果、欠勤率が30%減り、売上も5%改善しました。この経験で課題解決力と調整力を磨けました。」
→ 具体的で、評価基準(課題解決力・リーダーシップ)と結びつく。

プレゼン型のメリット

  1. テンポが安定する
    通信ラグがあっても問題なく進行できる。
  2. 回答の質が向上する
    応募者が話を整理しやすい。
  3. 録画と相性が良い
    後から見直しても比較しやすい。
  4. 応募者の安心感が高まる
    進行が予測できるので、余計な緊張が減る。

プレゼン型を導入する際のポイント

  • 事前に伝えておく
    「各質問に1〜3分で回答してください」と案内する。
  • 発表の構成を示す
    「結論→背景→行動→結果→学び」の型を共有。
  • 中断せず最後まで聞く
    プレゼンが終わるまで遮らず、終わってから深掘り質問。
  • 時間を区切る
    長くなりすぎないよう「3分以内」と明示する。

実例:プレゼン型を取り入れた企業

IT企業C社

自由な会話型面接では「雑談で終わってしまい、評価が難しい」という声が多かった。
プレゼン型に切り替えたところ、候補者の経験や成果が整理されて伝わり、合否判断がしやすくなった

メーカーD社(地方採用)

オンライン面接で「沈黙が多く、会話が進まない」との課題があった。
プレゼン型を導入した結果、応募者の不安が減り、地方学生の志望度が上がった

プレゼン型の応用:評価の視点

プレゼン型で話してもらう場合、以下の観点で評価すると効果的です。

  • 論理性:話の流れが整理されているか
  • 具体性:事例や数字が含まれているか
  • 主体性:自ら課題を見つけて動いたか
  • 成果と学び:結果だけでなく、学習や改善姿勢を語れているか

応用編:採用区分ごとの活用法

オンライン面接の「構造化」や「プレゼン型」は、採用区分によって適した使い方が異なります。
ここでは 新卒採用・中途採用・グローバル採用 の3つのケースを取り上げ、それぞれの活用ポイントを解説します。

新卒採用における構造化面接の活用

課題

新卒採用では、職務経験が少ないため「潜在能力」を見抜く必要があります。
しかし、自由な会話型では面接官ごとの主観に左右されがちです。

解決策

  • 質問を固定する:「学生時代に最も力を入れたことは?」など。
  • 比較可能な評価軸を設ける:「論理性・主体性・協調性」など。
  • STAR法(Situation・Task・Action・Result) を意識させて話させる。

👉 結果として、候補者間での公平な比較が可能になります。

中途採用におけるプレゼン型の活用

課題

中途採用では、職務経験が豊富な一方で、話が冗長になりやすい。
また「前職の成功体験だけを強調してしまう」候補者も多い。

解決策

  • 質問に制限時間を設ける:「3分で要点を説明してください」
  • 成果と再現性を聞く:「その経験は当社でも活かせると思いますか?」
  • 資料を使わせる:職務経歴をスライドにまとめて説明してもらう。

👉 これにより「経験の整理」と「自社での適応可能性」が見えやすくなります。

グローバル採用における構造化面接の有効性

課題

海外人材との面接では、文化や価値観の違いが評価に影響しやすい。
たとえば「自己主張が強い=リーダーシップ」と捉えるか、「協調性がない」と捉えるかは文化次第です。

解決策

  • 質問と評価軸を数値化する:文化差を越えて比較可能にする。
  • 面接官を複数人にする:多様な視点で評価し、偏りを抑える。
  • 録画を活用する:複数回の見直しで誤解を減らす。

👉 これにより、国籍や文化に依存しない「能力ベースの評価」が可能になります。

面接官がやりがちな失敗と改善策

オンライン面接では「対面の延長」と考えてしまい、以下のような失敗がよく見られます。

失敗1:質問がバラバラ

  • 問題点:面接官ごとに質問が違い、候補者の比較ができない。
  • 改善策:質問リストを事前に共有し、同じ質問を行う。

失敗2:応募者の話を途中で遮る

  • 問題点:通信ラグにより、遮ったつもりはなくても「割り込み」に見える。
  • 改善策:プレゼン型で「最後まで話を聞いてから」質問する。

失敗3:評価を感覚に頼る

  • 問題点:「印象が良かったから」という曖昧な判断になる。
  • 改善策:評価シートを用いて、基準に沿った採点を徹底する。

失敗4:沈黙を怖がる

  • 問題点:間が空くと「気まずい」と感じてしまう。
  • 改善策:通信ラグを前提に「一呼吸置いてから話す」習慣を持つ。

失敗5:環境を整えない

  • 問題点:照明不足や雑音で印象が悪くなる。
  • 改善策:面接官自身も「明るい照明・静かな環境・安定した通信」を準備。

👉 これらを意識するだけで「伝わらない面接」から「伝わる面接」へと大きく改善できます。

最新トレンド:AI面接や録画面接との違い

2025年現在、採用のオンライン化は「オンライン面接」だけにとどまりません。
AI面接・録画面接・チャット型選考など、多様な手法が導入されています。
ここでは、それぞれの特徴とオンライン面接との違いを整理します。

AI面接(AI Interview)

AI面接は、応募者の表情・声・言葉の使い方などを解析してスコア化する仕組みです。

  • メリット:大量の候補者を効率的にスクリーニングできる。人事の負担が軽減される。
  • デメリット:候補者から「冷たい」「人間味がない」と敬遠されることもある。アルゴリズムの透明性が不十分な場合、公平性に疑問が残る。

👉 AI面接は「一次選考」や「エントリー段階」での利用が現実的です。

録画面接(オンデマンド面接)

候補者が自分の都合に合わせて録画し、企業が後から視聴する形式です。

  • メリット:候補者の時間的制約が少なく、応募母集団を広げられる。
  • デメリット:双方向のやりとりができず、深掘り質問ができない。熱意や相性は見えにくい。

👉 録画面接は「説明会代わり」や「一次スクリーニング」に有効です。

ライブ型オンライン面接(Zoom/Teams)

オンライン面接は、AIや録画とは違い、双方向性人間的な評価 を担保できる点が強みです。
構造化やプレゼン型を組み合わせれば、AIの効率性と人間の直感の「いいとこ取り」が可能になります。

ハイブリッド採用の時代へ

最新の採用トレンドでは、これらを単独で使うのではなく ハイブリッドで組み合わせる 企業が増えています。

  • 一次選考:AI面接や録画面接でスクリーニング
  • 二次選考:構造化されたオンライン面接
  • 最終選考:対面面接で最終確認

この流れを採用することで、効率性・公平性・信頼性のすべてをバランス良く担保できます。

FAQ:オンライン面接でよくある質問

Q:構造化面接は堅苦しくならない?
A:質問は定型でも、表情やコメントで柔らかさを出せます。面接官の人間味は必須要素です。

Q:プレゼン型だと応募者が緊張しない?
A:むしろ進行が予測できるため、安心感が増します。事前に「3分程度で話してください」と伝えておくと効果的です。

Q:録画は候補者に伝える必要がある?
A:必ず事前に許可を取りましょう。透明性が信頼につながります。

Q:新卒と中途では進め方を変えるべき?
A:新卒は構造化で公平性を担保し、中途はプレゼン型で経験を整理させるのが有効です。

Q:沈黙が気まずいときの対処法は?
A:通信ラグを前提に「一呼吸置く」意識を持ちましょう。面接官が焦らないことが重要です。

まとめ|「伝える」から「伝わる」へ

オンライン面接は、採用活動を効率化し、地理的・時間的な制約を超えて多様な人材にアクセスできる強力な手段です。
しかしその一方で、熱意や人柄が伝わらない、会話が噛み合わない、といった課題も残ります。

その解決策が、

  • 構造化面接
  • プレゼン型コミュニケーション

の2つです。

さらにAI面接や録画面接を組み合わせた ハイブリッド採用 が、今後の採用トレンドになるでしょう。

👉 オンライン面接を「伝える場」から「伝わる場」へと進化させるために、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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