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「本当は聞きたかった。でも、聞け...

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【保存版】タイプ別 育成プラン完全ガイド|部下の特徴に応じた最適な指導・マネジメント法

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2025.09.17

はじめに|「なぜ、あの人は伸びたのか?」に答えがあります

「Aさんはすぐ成長したのに、Bさんはずっと足踏み…」
「同じように教えているのに、反応も成果も全然違う」

こうした悩みは、マネージャーや育成担当者なら誰しもが抱えるものです。
しかし、その原因は指導法の“正しさ”ではなく、“相手に合っているかどうか”にあるかもしれません。

すべての部下に同じアプローチをしても、同じように育つことはありません。
人にはそれぞれの「タイプ」があり、そのタイプに合った関わり方こそが、最短で最大の成長を引き出す鍵となります。

この記事では、能力とモチベーションの2軸で分類する「4タイプ別育成プラン」をベースに、現場で使える育成戦略とマネジメントスキルを、実例を交えて解説します。

なぜ今「タイプ別の人材育成」が必要なのか?|従来型マネジメントとの違い

一律教育では、組織が育たない時代へ

かつてのように「年功序列×OJT×上司の背中を見て学べ」では、成果が出る人と出ない人の差が開きすぎる時代になりました。
今の職場には、世代もキャリアも価値観も違う人材が集まっています。

一律の育成法では、むしろ組織の“足踏み”になりかねない。

だからこそ、タイプに応じた育成設計が、リーダーシップの必須スキルになっているのです。

タイプ別育成マトリクス(能力 × モチベーション)

まずは、部下のタイプを把握することから始めましょう。

タイプ能力モチベーション特徴(簡易まとめ)
Aタイプ高い高い成果を出す即戦力。自由と挑戦を求める。
Bタイプ低い高い素直で努力家。育成次第で急成長。
Cタイプ高い低い有能だが熱量が低い。理由探りがカギ。
Dタイプ低い低い迷走状態。小さな成功体験から支援。

ポイント:タイプは“固定”ではなく変化するもの
役割・経験・人間関係により、半年後には別のタイプになっていることもあります。
定期的な1on1やフィードバックを通じて“今の状態”を観察する視点が求められます。

【タイプ別】育成プランと指導のポイント

Aタイプ:成長ドライバー型(能力・意欲ともに高い)

「もっと挑戦したいです。裁量を増やしてもらえませんか?」
そんな前向きな声が自然と出るのがAタイプ。

  • 任せて伸ばす:業務のゴールだけ示し、進め方は自律に任せる
  • チャレンジングな目標設定:現状維持では飽きてしまう
  • 承認とキャリア提示:成果を共に喜び、次の役割へ導く

育成の本質:「任せて、見守り、称える」ことがポイント。手放す勇気が上司に問われます。

Bタイプ:ポテンシャル型(意欲は高いが、まだ未熟)

「もっと学びたい」「私、向いてないんですか?」
頑張り屋だけど、自信が持てずに焦る姿が見えるタイプ。

  • 明確な道筋を用意:3ステップでできる仕事からスタート
  • 失敗を叱らない環境:質問しやすさが成長速度を左右する
  • 進捗に応じたフィードバック:週ごとの変化に気づき、承認する

育成の本質:伴走者であること。急かさず、信じて支えることで花が咲く。

Cタイプ:沈黙のプロ型(能力は高いが、熱量がない)

「別に今のままでいいんで」「どうせ評価されませんし」
冷静に見えて、実は“諦め”や“警戒心”を抱えていることが多いタイプ。

  • 1on1で“心の声”を引き出す:成果よりも動機にアプローチ
  • 評価制度の透明化:報われないと感じているケースが多い
  • 興味ある領域にタスクを寄せる:得意なこと × 好きなことを設計する

育成の本質:やる気がないのではなく、やる気の理由が消えてしまった状態。それを再点火するのが上司の役目。

Dタイプ:再起動待ち型(能力・意欲ともに低下)

「何をしてもダメで…」「もう、期待されてないですよね?」
失敗体験の蓄積、評価されない不満、環境不一致。さまざまな要因でエネルギーが落ちている状態。

  • “何を・いつまでに・どうやるか”を超明確に伝える
  • 小さな達成と成功体験を積ませる:例)タスク完了を褒める
  • 「自分で考える」機会も徐々に:質問や提案を受け止める姿勢

育成の本質:まず“自己効力感”の回復。焦らず、ひとつずつ階段を登らせる。

【タイプ別指導法】A〜D各タイプ別|特徴と効果的な育成アプローチ

Bタイプ(新卒)の成功例

  • OJTではなく「成長ストーリー設計」を実施(例:3ヶ月で〇〇ができるように)
  • 表彰制度を活用し、自己肯定感と承認欲求を満たす
    → 半年後にはチームリーダー候補に

Cタイプ(中堅)の再エンゲージメント

  • 「なぜ意欲が下がったのか?」を深堀り → 役職への不信感
  • リーダーではなくプロフェッショナル職への異動を提案
    → モチベーション回復と成果向上

Dタイプの放置 → 退職の失敗例

  • 業務指示が抽象的で迷走
  • 上司との会話も週1以下 → 「気にされていない」と誤解
    → 本来はタイプ認識と日次レビューで改善可能だった

【上司必見】タイプ別育成を支える4つのマネジメントスキル

スキル詳細・活用法
傾聴力事実の奥にある感情を掘り起こす力。1on1の成功確率に直結。
フィードバック力過程への称賛+具体的な次の一手。伝え方で成長速度が変わる。
コーチング力指導から対話へ。“気づき”の質を高める質問設計がカギ。
モチベーション設計報酬・裁量・意味・所属感。個人に合った4要素を見極めて調整。

【FAQ】タイプ別育成プランに関するよくある質問と回答

Q. 社員がどのタイプかわからない時は?

1on1での観察・質問が最も有効。業務パフォーマンス、態度、課題への反応を見るのがポイント。

Q. タイプは固定されるもの?

→ いいえ、状況・役割・上司との関係で変化します。定期的に再評価しましょう。

Q. 新人でもタイプ分けは有効ですか?

→ 非常に有効。早期育成・離職防止の観点で導入すべきです。

【まとめ】タイプ別育成プランで変わる、組織と部下の未来

タイプ別育成プランは、ただのマネジメント手法ではありません。
それは、一人ひとりの可能性と本気で向き合う覚悟の表れです。

  • 同じ指導でも、タイプが違えば受け取り方が違う。
  • タイプに応じた関わりをすれば、誰もが必ず伸びる。
  • そして、それが積み重なれば、チームの底力は何倍にも膨らむ。

人材育成に“万能薬”はありません。
だからこそ、「タイプ別」に寄り添うという視点は、現代のマネージャーにとって、最も現実的で、最も人間的な方法です。

今、目の前にいるあの部下の“育ち方”を変えることで、あなたのチーム全体が変わりはじめます。
育成は、いつだって一人の気づきから始まるのです。

おわりに|育成は、「信じる力」と「待つ力」だ。

育成とは、教えることでも、コントロールすることでもありません。
それは、相手を信じ、相手の変化を信じ、必要なときに必要な支援を差し出すこと。

部下は、上司の「まなざし」で変わります。
「この人は、ちゃんと見てくれている」「自分に合った関わり方をしてくれている」
――そう感じたとき、部下は自ら動き出します。

そして、タイプ別育成は、あなたのその“まなざし”を、より深く、より確かに届けてくれるツールです。

人は誰しも、伸びる力を持っています。
あとは、伸びる「きっかけ」と「環境」を用意するだけ。

あなたの指導が変われば、チームが変わる。
チームが変われば、組織が変わる。
育成とは、目の前の小さな関わりから、大きな未来を動かす仕事です。

その第一歩を、今日から踏み出してみませんか?

なお、私たちDotsでは、部下一人ひとりのタイプに応じた人材評価・育成の仕組みづくりをサポートしています。
「タイプは分かったが、制度化・運用設計が難しい…」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。