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【保存版】採用面接を成功させる評価基準と質問設計|変わり種面接手法3選も紹介

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2025.09.04

公開日:2021年9月3日
更新日:2025年9月4日

導入:採用面接でよくある違和感

「答えは完璧なのに、なぜかしっくりこない」──採用面接の現場でよく耳にする声です。

  • 明るくハキハキ答えている
  • 結論から話せて論理も整っている
  • 一見すると何も問題がない

それなのに、面接官の心のどこかに「この人は本当にうちに合うのだろうか?」という疑念が残るのです。

この違和感が生まれる背景には、主に2つの理由があります。

  1. 明確な評価基準を設定していない
  2. 誰もが準備できる、ありきたりな質問しかしていない

この記事では、まず評価基準をどう作ればよいかを整理し、その上で質問設計の工夫や変わり種の面接手法まで紹介します。

採用面接 評価基準をどう作る?

採用面接のゴールは、「自社で活躍できる人材かどうかを見抜くこと」です。
ところが、多くの企業では「主体性がある人」や「コミュニケーション能力が高い人」といった抽象的な基準しか設定されていません。

これでは面接官ごとに判断がばらつき、結果として「なんとなく印象が良かったから採用」というあいまいな決定につながってしまいます。

行動基準を具体的に言語化する

評価基準を明確にするには、自社で活躍している社員の行動を参考にするのが効果的です。

例:

  • 困難な状況でも最後までやり切る粘り強さがある
  • 顧客から予想外の質問を受けても冷静に対応できる
  • 複数の意見を整理し、納得感のある意思決定ができる

このように「どんな状況で」「どんな行動ができる人」が成果を出しやすいかを具体的に言語化することが大切です。

評価シートに落とし込む

さらに、その基準を評価シートに落とし込むことで、面接官間の認識のズレを防ぐことができます。
例えば「課題解決力」を測りたいなら、次のように基準化できます。

状況期待する行動
課題に直面したとき諦めずに複数の解決策を模索する
チームで意見が割れたとき論点を整理し、建設的な合意形成を図る
顧客から厳しい要求を受けたとき感情的にならず、代替案を提示する

こうした「行動基準」を持つことが、採用面接の第一歩となります。

よくある質問では見抜けない理由

面接で定番となっている質問に「志望動機」や「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」があります。
しかし、これらは就活サイトやSNS、キャリアアドバイザーを通じて多くの求職者が“模範解答”を準備しています。

その結果、

  • 面接官が聞きたい「本音」や「価値観」に届かない
  • どの候補者も似たような回答になり、差が見えにくい
  • 表面的な印象で判断してしまう

といった問題が起こります。

つまり、よくある質問では「準備された答え」しか得られないのです。

面接 質問設計のコツ

候補者の“本質”を見抜くには、質問の設計を工夫することが欠かせません。

行動を引き出す質問

単なる「Yes/No」で終わる質問ではなく、具体的な行動や判断を語らせる質問が効果的です。
例えば:

  • 「チームで意見が割れたとき、どんな対応をしましたか?」
  • 「直近の仕事で一番うまくいかなかったことは?どう乗り越えましたか?」

こうした質問によって、候補者の行動パターンや意思決定の特徴が見えてきます。

“なぜ”を繰り返して掘り下げる

回答を受けてからが本番です。
「それはどうして?」「なぜそう考えたのですか?」と、笑顔で興味を持って深掘りしましょう。

表面的な準備回答を超えて、候補者の価値観や思想に触れることができます。

面接官の態度も重要

深掘り質問をするとき、尋問のように詰問してしまうのはNGです。
相手の話に「誠意ある関心」を示し、自然なコミュニケーションとして進めることで、候補者の本音が引き出されます。

変わり種面接手法3選

一般的な質問だけでは見抜けない候補者の資質を測るために、欧米を中心に導入されているのが「変わり種の面接手法」です。ここでは代表的な3つをご紹介します。

ワークサンプル面接

ワークサンプルとは、実際の業務に近い課題を候補者に与え、その成果を評価する手法です。

たとえば:

  • 営業職 → 架空の商品を用いた営業プレゼンをさせる
  • エンジニア職 → 簡単なプログラムや要件定義をその場で作成させる
  • 医療職 → 手先の器用さや集中力を測る作業(例:米粒サイズの寿司を握る試験)

倉敷の病院では、研修医試験に「15ミリ四方の紙で折り鶴を折る」といった試験を導入しました。学業成績だけでは測れない集中力や忍耐力を確認するためです。

ワークサンプルのメリット

  • 実際の仕事に近い評価ができる
  • 面接での「口だけの回答」ではなく実力がわかる
  • 候補者自身も仕事のイメージを掴みやすい

欧米では一般的な手法ですが、日本企業でも導入すれば大きな効果を発揮します。

シチュエーショナル・ジャッジメント(Situational Judgment Test)

シチュエーショナル・ジャッジメントは、特定の状況で候補者がどんな判断や行動を取るかを測定する方法です。

具体的な方法

  1. 短いシナリオを提示
    (例:「上司から急ぎの依頼があったが、同僚からも助けを求められた」)
  2. 候補者に「最も妥当だと思う行動」とその理由を答えてもらう

この手法の強み

  • 非認知スキル(判断力・価値観) を可視化できる
  • 面接で見えにくい「仕事の優先順位づけ」や「リスク回避の姿勢」がわかる
  • 言葉巧みな候補者でも、状況判断の甘さは隠せない

シチュエーショナル・ジャッジメントは、人柄や判断基準を客観的に測れる有効な方法です。

アセスメントセンター

アセスメントセンターは、複数の評価手法を組み合わせて候補者を多角的に評価する方法です。

よく使われる手法

  • グループディスカッション
  • ロールプレイ(上司や部下との対話シミュレーション)
  • 能力テスト
  • 心理テスト

特徴

  • 元々は軍隊で「プレッシャー下でも行動できる人材」を見極めるために考案された手法
  • 管理職採用やマネジメント適性を見るときに特に有効
  • 候補者の「協働力」「リーダーシップ」「冷静さ」を総合的に確認できる

複数の評価者が観察するため、属人的な判断を避けられるのもメリットです。

変わり種手法を導入するときの注意点

これらの手法は非常に有効ですが、万能ではありません。

  • 事前に自社の評価基準を明確にしておくことが前提
  • 単発で導入するのではなく、通常の面接質問と組み合わせることが大切
  • 候補者に過度な負担を与えない工夫も必要

つまり「面接設計の土台」が整っていない状態で導入しても、正しい効果は得られません。

まとめ:採用面接は「設計」がすべて

採用面接は、場当たり的な質問や印象評価だけでは、候補者の本質を見抜くことができません。

  • 明確な評価基準を設定する
  • 行動を引き出す質問を設計し、深掘りして価値観を知る
  • ワークサンプルやアセスメントセンターといった多角的な手法も活用する

これらを組み合わせることで、「答えは完璧なのにしっくりこない」という違和感を解消し、本当に自社で活躍できる人材を採用することが可能になります。

採用面接は直感に頼るものではなく、事前の設計によって成功の精度を高められるプロセスです。
未来の組織を支えるためにも、今日から見直してみましょう。

まとめ:採用面接は「設計」がすべて

採用面接は、場当たり的な質問や印象評価だけでは、候補者の本質を見抜くことができません。

  • 明確な評価基準を設定する
  • 行動を引き出す質問を設計し、深掘りして価値観を知る
  • ワークサンプルやアセスメントセンターといった多角的な手法も活用する

これらを組み合わせることで、「答えは完璧なのにしっくりこない」という違和感を解消し、本当に自社で活躍できる人材を採用することが可能になります。

採用面接は直感に頼るものではなく、事前の設計によって成功の精度を高められるプロセスです。
未来の組織を支えるためにも、今日から見直してみましょう。

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私たちの提供する「人材マッチング・育成支援プラットフォーム」では、面接サポート機能を通じて候補者ごとの再質問ポイントを提示し、面接の精度を一段と高めることができます。

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よくある質問(FAQ)

採用面接の評価基準はどう作ればいいですか?
→ 自社の優秀社員の行動を参考にし、「どんな状況で、どんな行動ができる人か」を具体的に言語化してください。

面接質問の設計で意識すべきことは?
→ 候補者の行動や判断を具体的に語らせる質問にすること。「なぜ?」を繰り返して掘り下げると価値観まで見えてきます。

ワークサンプル面接はどの職種で効果的ですか?
→ 営業なら提案ロールプレイ、エンジニアなら課題解決演習、クリエイティブ職なら企画案提出など、実務に近い内容であれば幅広く活用できます。

シチュエーショナル・ジャッジメントはどう役立ちますか?
→ 判断力や優先順位づけといった「非認知スキル」を見極められるので、言葉巧みな候補者の表面に惑わされません。

アセスメントセンターは大企業専用ですか?
→ いいえ。中小企業でも「簡易グループディスカッション」や「ショートロールプレイ」など、小規模に導入するだけでも効果があります。

面接をもっと効率的に行う方法はありますか?

→ 人事の負担を減らしつつ精度を高めたいなら、当社の面接サポート機能が有効です。候補者ごとの再質問ポイントが提示されるため、効率よく深掘りできます。さらに、評価基準に沿った質問設計を自動でサポートできるため、面接官ごとの“質問のばらつき”や“判断の感覚差”を解消でき、より一貫した選考が可能になります。