【中小企業×採用】人的資本経営とリスキリングで勝負!
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2023.11.13
最近よく聞く「人的資本経営」や「リスキリング」というワード。
皆様もニュースや媒体で目にしたことがあるのではないでしょうか。
「それって大手企業が取り組むものでしょ?」
「それって経済産業省が言ってるだけでしょ?」
「それって遠い先の未来の話でしょ?」
など、いろいろ意見はあると思います。
今回はそんな人的資本経営とリスキリングについて、「中小企業が取り組むべき」という視点でお話していきたいと思います。
そもそも人的資本経営とリスキリングとは
人的資本経営とは
まず、「人的資本経営」とはどういったものなのかー
簡単に言うと、人材を資本ととらえ、その価値を最大限に引き出すことで、企業価値の向上と企業パフォーマンスを上げていくという考え方です。
要は人と組織の見える化と、その内容の開示を進めることなどですね。
では、何故、その様な取り組みを進めることが重要となるのでしょうか?
それは一言で言うなら、「良い会社」なのか、どうなのかを知るための指標になるからです。
つまりは、株主や金融機関はじめ各ステークホルダーからすると、その会社が今後発展していく可能性が高いかどうかを見極める指標、判断する重要指標の1つになると考えられているということです。
リスキリングとは
では次に、「リスキリング」とはどういったものなのか、
新しい職業に就くためにあるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること、と定義されています。
つまりは、働き方や社会の変化によって新たに発生するであろう業務、その業務に役立つスキルや知識の習得するために勉強することです。
簡単に言うと、持っていない知識や技術(先端の)を学ぶということですね。
時代の変化の中で新しいツール(例えばChatGPT)を利用できるようになる。など、知らなかったことを学び、出来るようになるという事がリスキリングにあたり、従業員にそうした教育を提供することがより一層会社としても重要になってきています。
今後益々変わっていく経営環境の中、中小企業にとっては「リスキリング」を通じて、例えばChatGPT・AIなども検討しながら、自社に合ったサービス化や業務を進める事は、人材確保と同じぐらい大事な取り組みになってきているというわけです。
中小企業の採用とどう関係してくる?
人手不足の時代、転職が当たり前化した時代、ITの急速な変化が起きている時代、文化や人材・ワークライフバランスを重要視している時代において、「人的資本経営」や「リスキリング」の重要性、企業として取り組む優先順位の高さは認識いただけたかなと思います。
ではここで皆様に質問です。
皆様の知り合いの中小企業で、「人的資本経営」や「リスキリング」に力を入れている企業は何割くらいいますか?
私の肌感覚ですが、おそらく1割も満たないのではないかと思います。
時代の変化によって求められている取り組みである、にも関わらず多くの中小企業では取り組んでいない。
先行者利益という言葉がありますが、今こういった取り組みに着手し、採用広報としてPRしていくことにより、簡単に差別化が図れてしまうというわけです。
特に昨今の若手求職者の価値観として、「待遇面」だけでなく、「働く環境や文化」を重要視する傾向にあります。
人的資本経営やリスキリングのための施策を実施し、採用広報として拡散していくことにより、
・社員を大切にしている会社
・スキルアップにつながりそうな会社
・社内情報も開示しているクリアな会社
というような印象も与え、採用力向上につながる取り組みになることは間違いありません。
中小企業が取り組める「人的資本経営」の第一歩
上記に記載した通り、人的資本経営とは、人と組織の見える化と、その内容の開示を進めることなどです。
「いやいや、PRできるような情報なんてウチにはないよ」という声もあれば、
「いやいや、組織の実態を開示するとむしろネガティブPRになっちゃうよ」なんて声もあると思います。
そうです。多くの中小企業がそうなのです。
だから着手していない(着手できない)のです。
つまり、人的資本経営に向けて、中小企業が取り組むべき第一歩は「組織の課題抽出」→「課題解決」となります。
それがなければポジティブな情報開示ができません。(もちろんそんなことない企業もたくさんありますが…)
具体的かつ容易な取り組みの一例としては、従業員アンケートです。
・残業や有休・休日・労働時間・ハラスメントなどの労務状況
・給与や賞与・昇降格・面談・人事制度などの人事状況
・意見の反映度や公平公正性などの働きがい状況
・活躍人材や方針・ビジョンなどの会社の成長性状況
・再雇用制や出戻り社員制・投資教育などの人生リンク状況
・コンプラやクレームなどの企業統治状況
などの項目を用意し、従業員にアンケートをとるだけで、課題が明確になります。
解決策は課題ごとに異なると思いますので細かくは触れませんが、中小企業が人的資本経営に踏み切る第一歩としては、「組織課題の明確化」となるということです。
中小企業が取り組める「リスキリング」の第一歩
上記で述べた通り、「リスキリング」とは、持っていない知識や技術(先端の)を学ぶということです。
キャリアにおける1つの選択肢として、リスキリングやリカレントも視野に入れる求職者が多い中、社内に教育制度があるか否かということが採用において非常に重要な要素とういようなデータがあります。
年代問わず約70%の求職者は、「転職後の会社に教育制度があると安心する」という結果です。
・転職が当たり前となった
・フリーランスや起業のハードルもそこまで高くなくなった
・不景気やパンデミックによる倒産を見てきた
・人手不足による人的倒産を見てきた
など、今の時代を生きている人材にとって、今求めるものは「今の年収」ではなく「将来の年収」、そしてそれを実現するために今は「スキルアップ」という考え方は自然なことかとも感じます。
つまり、採用活動において社内教育制度を広報コンテンツとして活用することにより、応募率の向上に繋げることができるというわけです。
さらには中小企業を対象に、教育制度を導入しているかどうかという質問を投げかけたアンケート結果では、社内に教育制度がない企業が多いということがわかりました。
そう考えると、ユーザー(従業員や求職者)に対して価値があり、市場(競合他社)があまり着手していない「教育制度」を導入し、リスキリングを促していくことは中小企業の採用力向上に対して、非常にメリットがあると思います。
着手することによる副産物
「人的資本経営」においても「リスキリング」においても、もちろん上記だけが解決策ではありません。
そして重要なことは「人的資本経営の定義に当てはまっているか」「リスキリングの定義に当てはまっているか」ではなく、その方向性に向けた各社の施策を進めていくことかと思います。
というのも、この2つの取り組みは、単なる採用力向上だけでなく、副産物として、組織課題の解決やパフォーマンスの向上があり、結果的に定着率の向上や生産性の向上、最終的には業績の向上にも繋がる施策であるはずです。
上記に記載したもののみが中小企業が取り組むべき第1歩であるわけではないと思いますが、この記事も参考にしつつ、是非皆様独自の取り組みを実施していただければと思います。