【中小企業×採用】ITエンジニア/デザイナー採用のヒント
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2024.04.23
ITエンジニアやデザイナーなどのクリエイティブ職の採用で悩んでいる企業は少なくないのではないでしょうか?
ITエンジニアにおいては、有効求人倍率が10倍を上回っており、エンジニア経験者の採用においては特に難しくなってきているのが事実です。おそらく今までにないほど、様々な工夫や戦略を練り、高額な予算を確保し、アプローチしていることでしょう。
当社では、そういった採用に苦戦している中小企業が少しでも成功確率を高められるよう、採用市場に関する調査を実施しており、今回は、ITエンジニアやデザイナーなどの職種を希望している求職者に対して、生の声を取得した市場調査データをもとに、少しでも参考になるような情報をお届けできればと思っております。
是非、採用の戦略を練る上でのヒントにしていただければ幸いです。
ITエンジニアやデザイナー職の転職理由
転職を検討した理由を知れば、どのような情報を発信していくことが効果的かを知ることができるため、採用活動をする企業目線では極めて意味があり、優先順位の高い事項となります。
まずは、そもそもクリエイティブ職の人材がどの程度の転職を行なっているのか見てみましょう。
こちらはITエンジニアやデザイナーなどのクリエイティブ職100名(20~40代)を対象に調査した転職回数のデータとなります。年齢別に多少の差はあるものの、多くの人の転職回数が0〜3回であることがわかると思います。
状況に応じては、1次選考時や面接時での転職回数の判断材料にも使えるかもしれません。
そして次は、転職を検討した理由についてのデータです。
「転職を考えたきっかけ」のTOP5としては、
- 収入が上がっていくイメージが見えなかった
- 福利厚生や働き方が改善されていくイメージが湧かなかった
- 会社(事業)の将来性に不安を感じた
- これ以上スキルが上がらないと感じた
- 社内の人間関係が良くなかった
となりました。
企業の採用担当としては、「転職を考えたきっかけ」=「転職先企業に求める事項の1つ」という視点で見ていく必要があります。
TOP5に対して、例えば
- 評価制度・報酬制度・キャリアパス制度・教育制度などの仕組みを整えたうえで可視化し、自身の成長イメージや年収イメージを伝えられる状態にしておく
- 会社の方針や成長性などを具体化し、オウンドメディアやSNSなどで発信していく
- 社内の関係性が良好であるということがわかるような物語(ブログ)や写真などを活用する
などといった対策を練ることが出来ます。
クリエイティブ職の退職理由をもとに、こういった取り組みを行うことで、少しでも求職者が求めている情報を届けられるかもしれません。
ITエンジニアやデザイナーが企業に求めること
クリエイティブ職の求職者に対して、直接的な質問として、「転職する際に何を重要視するか」といったことを調査してみました。
最も多かった項目が「給与」、そして「ワークライフバランス」・「人との相性」というような結果となりました。物価高の影響、そしてクリエイティブ職人材に対する需要の上昇などに伴って、「給与」という面が上昇しているのかもしれません。
また、コロナウイルスの影響で特に働き方が多様化している点、ストレスフリーな環境を求めている人材が多くなってきている点などから、「ワークライフバランス」や「人との相性」といった部分も極めて重要度の高い項目となっているのだと想像できます。
例えば、求人票や採用ページ・SNSでの発信において、上記のような要素を「強調かつ具体」に表現することで、求職者が欲しい情報を届けることができ、他社との差別化を図ることもできるでしょう。
ITエンジニアやデザイナーが見ている情報
次に、企業が採用広報する上で、どのような部分に留意して、情報を発信していくべきなのかを紐解くために下記のような2つの調査をしてみました。
企業が発信する情報において、エンジニアやデザイナーはどのような点で「不安」や「安心」を感じるのかというデータです。情報化社会であり、ITに触れる機会が多い職種という部分が影響していることからなのか、企業ホームページや採用ページでの情報を重要視していることがわかります。
そういった意味では、もし古い企業ホームページ等を活用している企業は、採用活動の前に別の部分から見直してみてもいいのかもしれません。
また、こちらの調査結果の中で特に気になった2つの項目を開設できればと思います。
①「一緒に働くメンバーの顔がわからない」ことが不安要素の1つ
メンバーの顔がホームページや採用ページに出ていない企業も多々あると思います。
しかしながら、求職者目線では、自身が転職した先で「どのような人と一緒に仕事をするのか」ということは極めて重要なことです。
企業の文化や雰囲気を伝えるといった意味でも、社内メンバーの顔や表情がわかる写真を活用して採用広報活動を行うことは差別化を図る1つの要素なのかもしれません。
②「1日のスケジュールイメージ」を知ることは、不安の払拭に繋げる要素の1つ
転職することは、求職者自身の人生において大きな決断になります。
務めた先でどのような業務を行うのかも大事ですが、そもそもどのような人生をおくれるのかといったことの方が非常に大切です。
そういった意味では、単に1日の業務的なスケジュールではなく、起床から就寝までの1日を見たときに、既存社員はどのような生活を送っているのかということを発信していく方が具体的な生活イメージを持ってもらえるのかもしれません。
ITエンジニアやデザイナー人材に対して、どういった部分を特にPRすべきか
次に、クリエイティブ職の人材が感じる「転職時の不安」に関する調査データを紹介します。
クリエイティブ職だからというわけではないかもしれませんが、「希望に合った仕事・会社が見つかるか」という不安が圧倒的に多くなる結果となりました。
(こちらはそもそも当社が設定した選択肢がよくなかったですが、当たり前ですね… )
そして、「新しい職場での人間関係」・「収入面」・「ワークライフバランス」という項目が続くような結果でした。
こちらは上記に記述した「転職する際に何を重要視するか」という調査データと類似しています。これらのデータより、「人間関係」・「収入面」・「ワークライフバランス」といった面をどのように伝えるかが極めて重要であることがわかると思います。
「自社には差別化を図れるような要素がない…」というようなこともよく耳にしますが、
- 視覚的に伝える
- 写真・動画・図などを活用して表現する
- 具体的に伝える
- ブログなどでストーリー立てて表現する
- 面談や面接時に説明する
- 特に報酬面やキャリア面などのデリケートな部分を入社前に丁寧に説明する
などといったことを行うだけでも十分な差別化を図ることが出来ます。
ITエンジニアやデザイナーなどのクリエイティブ職の採用戦略まとめ
最後に総括として、今回の調査で分かったこととしては
- 「人間関係」・「収入面」・「ワークライフバランス」を特に重要視している
- ホームページ等、Web上で確認できる情報の重要度も高い
- 共に働くメンバーや1日のスケジュールなど、自身が入社した後に「誰といて、どのような生活をおくることになるのか」をイメージできる情報が欲しい
などといった点を特に発信していくことで、エンジニアやデザイナーなどのクリエイティブ職の採用を少しでも成功に近づけることが出来るのかもしれません。
採用活動に苦戦している企業にとって、少しでも有益な情報になっていれば大変うれしく思います。他にも「中小企業×採用」に関するブログ記事を掲載していますので、参考にしていただければと思います。
今後とも株式会社Dotsをよろしくお願いいたします。