【保存版】チームフィット採用とは?採用ミスマッチを防ぎ離職率を下げる最新採用戦略
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2025.10.08

はじめに|なぜスキルもカルチャーも合っていたのに早期離職?
「スキルも文化も合っていたのに、なぜ早期離職に?」
そんな“採用の空振り”の背景にあるのが、配属チームとの相性=チームフィットです。
いくら企業文化に共感していても、実際に働くのは「会社」ではなく「チーム」。チームの雰囲気や働き方が合わなければ、ストレスが溜まり、早期離職につながることも少なくありません。
厚生労働省の調査によると、新卒3年以内の離職率は31.5%、高卒では35.9%に上ります。
また、マンパワーグループの調査では、8割以上の企業が「採用ミスマッチ」を経験しており、その多くがチーム内のコミュニケーションや働き方のズレに起因していることが分かっています。
これからの採用に求められるのは、「スキル」や「カルチャーフィット」だけではありません。
“この人が、このチームで、活躍できるか?”を見極める――それが「チームフィット採用」です。
チームフィット採用とは?カルチャーフィットとの違いをカンタンに解説
チームフィット採用とは、候補者が配属予定のチームとの相性を軸に採用を判断する方法です。
カルチャーフィットが「企業文化との共感」なのに対し、チームフィットは“現場での協働関係”に焦点を当てます。
カルチャーフィットとチームフィットの違いって?
比較ポイント | カルチャーフィット | チームフィット |
見る対象 | 会社全体 | 配属されるチーム |
判断する内容 | 経営理念や文化への共感 | 日々の働き方・関係性の合い方 |
重視する関係性 | 経営層との方向性の一致 | 現場メンバーとのやりとりや協力関係 |
採用の目的 | 長期定着と文化浸透 | チームの即戦力化・生産性最大化 |
チームフィットを見極める4つの視点
- 仕事観や判断基準が近いか
例:スピード重視か、丁寧さ重視かなど。 - コミュニケーションスタイルが合うか
報連相のタイミングや方法が自然に合うか。 - 心理的安全性を感じられるか
意見を言いやすく、ミスを共有できる雰囲気があるか。 - お互いの強みを補完し合えるか
チームの弱みを支え合える関係が築けるか。
こうした視点を面接や対話の中で意識して見ていくことで、“なんとなく良さそう”ではなく、“成果を生む相性”を判断できます。
チームに自然と馴染み、強みを発揮できる人を採用することが、ミスマッチ防止と定着率向上の近道です。
なぜ今、チームフィット採用が注目されているのか?
「スキルもある」「会社の理念にも共感している」――
それでも、チームに馴染めず早期退職してしまうケースは少なくありません。
実は、採用ミスマッチの多くは「能力不足」ではなく「チームとの相性」に起因しています。
背景にあるのは「人間関係」や「価値観のズレ」
エン・ジャパンの調査によると、転職後の離職理由で最も多かったのは「職場の人間関係がうまくいかなかった」「考え方が合わなかった」という回答でした。
つまり、日々の働き方やコミュニケーションのスタイルが合わないことで、実力を発揮できなくなっているのです。
テレワークで“空気感”が読みづらくなった
リモートワークが普及したことで、オフィスで自然に感じ取れていた「チームの雰囲気」や「人との距離感」が伝わりづらくなりました。
SlackやZoomでは業務連携はできても、非言語のやりとりが減り、“相性の違い”が見えづらいまま採用が進むリスクが高まっています。
スキルだけでは成果は出せない時代に
「スキルは高いのに、連携が取れない」「コミュニケーションの歩幅が合わない」――
こうしたケースでは、チーム全体の成果が下がってしまいます。
だからこそ今、企業が重視すべきはスキルよりも“協働力”を見極める採用。
それが「チームフィット採用」なのです。
チームフィット採用のメリットとは?
チームフィット採用は、単なる“人柄重視”ではなく、現場で成果を出せる相性を見極める採用戦略です。
導入した企業からは、「離職率が下がった」「チームが活性化した」といった声が多く聞かれます。
ここでは、その主な効果を3つ紹介します。
1. 離職率の低下と人材定着の向上
チームとの相性が良い人材が入ることで、仕事の進め方や意思疎通がスムーズになり、信頼関係が早く築けます。
その結果、「思っていたのと違う」というギャップが減り、早期離職のリスクが下がります。
2. チームパフォーマンスの最大化
価値観や働き方が近いメンバーが揃うと、意思決定が速くなり、情報共有も活発に。
結果として、「チームで成果を出す仕組み」が自然に形成されます。
採用ミスマッチ対策を行った企業では、業務効率化や社内連携の質が向上したという報告もあります。
3. 採用プロセスの納得度が高まる
チームメンバーとの面談や現場紹介を取り入れることで、候補者も「このチームで働くイメージ」を具体的に描けます。
企業側も「この人と働きたい」という共通認識を持てるため、採用後のオンボーディングもスムーズ。
双方にとって納得感のある採用が実現します。
チームフィット採用のリスクと注意点
どんなに効果のある手法でも、使い方を誤れば逆効果になることがあります。
チームフィット採用を成功させるために、次の3つのリスクには注意が必要です。
似たタイプばかりが集まるリスク
チームとの相性を重視しすぎると、似た価値観や性格の人ばかりが集まり、多様性が失われる可能性があります。
協調性は大切ですが、異なる視点や挑戦的な意見がないとチームの成長が鈍化します。
「協調性 × 多様性のバランス」を意識しましょう。
評価基準が曖昧になりやすい
「なんとなく合いそう」という直感だけで判断すると、主観に偏った採用になりがちです。
そこで重要なのが、共通の評価シートや質問項目の設定。
チームの“感覚”を言語化・可視化して、誰が見ても納得できる基準を持つことが大切です。
“合わない”を即不採用と決めつけるリスク
一見チームと違うタイプの人でも、入社後に新しい発想や刺激をもたらす可能性があります。
「違う=ダメ」ではなく、「違いを活かせるか?」という視点で柔軟に判断することが重要です。
チームフィットの見極め方|実践編
「チームと合いそうか?」を見極めるのは、一見むずかしそうですが、いくつかの方法を組み合わせれば十分に判断できます。
以下では、多くの企業が実践する代表的なアプローチを紹介します。
1. 現場メンバーとの同席面談 — “実際に働く感覚”を共有する
チームメンバーを面接に同席させ、リアルなやりとりの中で相性を見極めます。
上司やリーダーが会話をリードすることで、価値観や思考のすり合わせが自然に行えます。
2. ケーススタディ・グループディスカッション — 協働姿勢を可視化する
実務に近いテーマを設定し、発言内容・反応・協調性を観察。
“議論の中でどう動く人か”を具体的に把握できます。
3. 1Day職場体験 — 雰囲気とスピード感を体感する
実際のチームに短時間参加してもらい、仕事の進め方や雰囲気を体感。
候補者・企業双方のギャップを事前に確認できます。
4. 適性診断の活用 — データで補完する相性判断
MBTIやBig5などを使い、性格・価値観の傾向を定量的に把握。
感覚に頼らず、客観的な指標でチームフィットを確認できます。
5. AIマッチングツールの活用 — データドリブンなフィット分析
AIが性格傾向や行動特性を分析し、チームとのフィット率を自動スコア化。
属人的な判断を減らし、効率的かつ公平な選考を実現します。
最近では、DotsでもこうしたAIマッチング機能を搭載し、チームごとのフィット率やシンクロ率を可視化する取り組みを進めています。
客観的な“チームフィット採用”を実現したい企業は、ぜひご相談ください。
チームフィット採用の進め方|導入ステップ
チームフィット採用を成功させるには、感覚ではなく仕組みとして“再現可能な採用プロセス”を作ることがポイントです。
ここでは、導入時に押さえておきたい5つのステップを紹介します。
ステップ1|チームの“らしさ”を言語化する
まずは、チームが大切にしている価値観や判断基準を明確にします。
「スピード重視か」「丁寧さを重んじるか」などを整理し、チームのペルソナとして可視化するのが第一歩です。
ステップ2|評価基準を標準化する
「合いそう」という感覚だけに頼らないために、評価シートや質問項目を共通化します。
こうした質問で、価値観や協働スタイルを定量的に確認できます。
ステップ3|現場を採用に巻き込む
採用は人事だけで完結させず、現場メンバーを意思決定に参加させましょう。
面接同席やフィードバック共有を通じて、“現場が納得できる採用”が実現します。
ステップ4|フィット評価を可視化・記録する
面接の印象や評価結果は口頭で終わらせず、NotionやHRBrainなどのツールで共有・蓄積。
判断のばらつきを防ぎ、客観的な採用データを残せます。
ステップ5|オンボーディングまで設計する
採用は入社で終わりではありません。
入社前のチーム紹介や配属後の1on1、3ヶ月後のフォロー面談など、“定着まで”を設計することでフィット採用は真価を発揮します。
Dotsのシステムでは、これら5ステップを1つのプラットフォーム上で一貫管理することが可能です。
チームフィット診断・評価記録・オンボーディング支援まで、データをつないで“再現性のある採用”を実現します。
デジタル × チームフィット採用の最前線
近年、採用現場ではテクノロジーを活用して「チームとのフィット感」をデータで可視化する動きが広がっています。
感覚に頼らず、数値と行動データで相性を判断できる時代です。
1. 業務ログ分析で“協働スタイル”を見える化
SlackやAsanaなどの行動データを分析し、メンバー同士のやりとり頻度や連携パターンを把握。
チームごとの働き方をデータ化することで、「どんなタイプの人が合いやすいか」を明確にできます。
2. 動画採用でチームの雰囲気をリアルに伝える
テキストだけでは伝わりにくい“空気感”を、チーム紹介動画や社員インタビューで可視化。
候補者が働く姿をイメージしやすくなり、応募段階でのミスマッチを防げます。
3. AIスコアリングでフィット率を自動判定
AIが候補者とチームの性格・価値観・行動特性を分析し、フィット率を数値化。
感覚ではなく、データに基づく採用判断が可能になります。
こうしたテクノロジーを活用することで、「チームに合う人」を科学的に見極める採用が実現します。
Dotsでも、AIによるフィット分析機能を搭載し、候補者とチーム双方のマッチング率・シンクロ率を自動算出。
採用判断だけでなく、入社後のエンゲージメントや定着支援まで一貫してサポートしています。
チームフィット採用をデータで強化したい企業さまは、Dotsまでお気軽にご相談ください。

まとめ|「誰を採るか」から「どんなチームに迎えるか」へ
チームフィット採用は、スキルや企業文化の適性だけでなく、
「この人が、このチームで、本当に力を発揮できるか?」を見極める採用戦略です。
離職率の低下やチームパフォーマンスの向上など、組織に確かな変化をもたらします。
ただし、感覚的な判断に頼ると、多様性の損失や主観的評価の偏りといったリスクもあります。
だからこそ今、必要なのは“相性をデータで見極める仕組み”です。
最後に|チームフィット採用を、仕組みとして定着させるために
Dotsでは、チームフィットを軸とした採用と定着を支援するSaaSプラットフォームを提供しています。
採用の勘や感覚に頼らず、「チームで成果を出す採用」を実現したい企業に最適です。
Dotsの仕組みを導入すれば、“合う人材を、合うチームに”届けることが可能になります。
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