blog ブログ

PAGE TOP

【事務・総務・経理・財務・人事・...

【事務・総務・経理・財務・人事・...

資料をダウンロードする

【中小企業×採用】地方採用を成功させる為に必要な考え方(1)

ブログ

2023.09.27

 今回は地方採用で成功する為に必要な考え方と手法について解説していきます。
地方採用で重要視すべき採用の考え方にフォーカスをし、お伝えしていきたいと思います。

採用市場の動向

 ご存知の方も多いと思いますが、厚生労働省によると、2030年には労働需要に対して、労働供給が650万人ほど不足すると言われており、「人手不足の時代」が今後も続いていくと推測されます。また、「人手不足の時代」が続く事で、今後も有効求人倍率は上昇し続け、採用競争は激化していくと見られています。

 この「労働人口の減少に伴う人手不足」という課題に直面している現在の採用市場で、大きな転機が訪れています。

採用市場において、一般的に「企業」と「求職者」の関係は「選ぶ側」と「選ばれる側」という構図に分けられます。

今よりも少し前の時代、いわゆる人余りの時代における企業の採用スタンスは「選ぶ側」でした。働き手が市場に多くいる為、ふるいにかけるというスタンスで採用活動をすれば概ね成功していたのです。

 それに対し、労働人口が不足している現在はどうでしょうか?

 企業側は必然的に「選ばれる側」に変わります。

 前提として人が不足しているので、その少ない人材を企業間で奪い合いをするような状況で、以前のようにふるいにかけようにも、その為の「絶対的な応募者が足りない」企業がほとんどです。

ですので、

旧来の「企業=選ぶ側」「求職者=選ばれる側」という構図は成立せず、
企業は求職者に選んでもらう努力をしなければならないという事が大前提になりました。

「母集団形成」という地方採用における落とし穴

 採用活動を行う上でよく耳にする母集団形成

「母集団形成が重要です!」
「このサービスで母集団形成が容易に!」

というような謳い文句を見聞きしたこともあるのではないでしょうか。

 実は地方採用において、母集団形成を第一に考えた採用活動というのはかなり相性が悪いと考えられています。


 そもそも母集団形成というのは、「たくさんの人を集めればその中に良い人材がいるだろう」という、「応募者の母数をどれだけ増やせるか」が命運を分ける考え方です。

もちろん応募者の母数が多いに越したことはありませんが、「労働人口が減少している現在」+「人口格差がある地方採用」において母集団形成に頼った採用を続けるのは簡単な事ではありません。

 本来採用活動の目的は、「とりあえず誰か入社してくれたらいい」ではなく、「自社に入社して活躍して定着してもらう」ことではないでしょうか。母数を増やせば…!という数頼みの採用活動は地方採用においてご法度と言ってもいいでしょう。

地方採用で特に重要な「ピンポイント採用」と「3つの要素」

「ピンポイント採用」に切り替えるべき!

 「母数の獲得」が難しい地方採用において、特に重要になる考え方、それが「ピンポイント採用」です。

極論ですが、1応募1採用を目指す考え方を指しており、要するに「量より質」という考え方です。

 例えば、企業が求職者に求める項目として「定着してくれる人材」・「会社の文化・価値観に合う人材」を採用する事などが挙げられると思います。

たった1人からの応募だったとしても、その人が求めていた人材で相思相愛なのであれば採用活動は成功。しかし100名から応募があってもマッチする人が1人もいなければこの採用活動は失敗ということです。

先にも述べたように、地方企業の採用活動において「量」を重視することは非常に高いハードルです。

さらに「限られたリソース」で採用KPIをクリアする為に母数を大量に獲得し、スクリーニングを行い、選考を進めていくというのは、採用担当の負担ははかり知れません。

ですので、量の課題を打開するための1歩目として「量から質へ」と思考転換させることが重要です。

質を重視した「ピンポイント採用」に必要な考え方

ピンポイント採用に必要な考え方は、

・少数の応募でも相思相愛のマッチを目指す

・伝えたい情報を伝えたい人に届ける

・万人受けする情報ではなく、具体的かつ1対1を感じられる情報発信

の3点です。


 ごく少数の応募で最高の候補者に入社してもらうときくと、絵空事のように聞こえるかもしれません。しかし、コミュニケーション手段が発達した現代では不可能ではありません。

 なぜこういった事が言えるのか、時代ごとのコミュニケーションの変化を説明していきたいと思います。

採用×マーケティングという考え方

 例えば、今までの広告の手法で言えばテレビや屋外にとにかく広告を打つ!という数で勝負する手法が多く見られました。ですが現代では、リスティング広告やパーソナライズド広告が浸透しており、今までの「マス向け」の情報発信から「個人にターゲットを絞った」情報発信に変化してきています。

 それに伴い「伝えたい情報を伝えたい人にだけ届ける」為の情報伝達手段は、採用領域においても日々進化しており、採用手法を選択していく上で非常に重要な要素になりつつあります。

 なぜならば、「量」の絶対的な不足を補えるのは「質」でしかない為、非常に合理的な考え方といえるでしょう。

求職者心理を理解する

 地方採用において重要な「ピンポイントの採用」、そして「伝えたい情報を伝えたい人にだけ届ける」為に、求職者・候補者の事もあわせて説明させていただきます。

 情報発信コストが下がり情報量が爆発的に増えた現代において、企業の情報は容易に取得できるようになりました。その為、求人プラットフォームや公式HP、口コミやレビューの確認、入社後のサポートやキャリアパスなどの情報を簡単に取得することができます。

候補者の思考回路としては

・WEB上から必要な情報が入手できなければ、その企業を検討するらしない、

・仮に必要な情報を取得できたとしても、企業特性が自分が求めているものと異なっていれば面接にいかずとも意思決定する

ということが現代の候補者心理と言われています。

ここまでシビアな価値観になった要因として、企業と候補者の情報の格差が減り、「本当に自分の求めている企業なのか」を追求できるようになった事が主な要因だと考えられます。


 ですので、これからの地方採用では採用ターゲットの行動パターンを理解し、

その人のニーズを理解したうえで届けたいユーザーに届けたい情報を発信していくことが極めて重要だと言えます。

求人票に書かれた条件や表面的な情報だけでは候補者は意思決定しない

 現代の就職・転職市場において、求人票に記された無味無臭な情報というのは他社と差別化されておらず、それを見ただけでは候補者は意思決定することはないという傾向にあります。

 転職経験がある方はご存じかと思いますが、求職者が仕事選びに置いてまず向き合うものは求人票の山。そして、業務内容や応募資格についての簡易的な説明に加え、給与待遇・福利厚生面など、情報の羅列ばかりです。

この時求職者が考えている事の多くは

「あ、この会社知ってるかも」
「同じ様な業務だけど福利厚生が充実しているなあ」
「今より給料上がるけど、みなし残業多いなあ」

など知っている情報を探し、定量的に図りやすい項目のみを確認し次から次へと見続けるケースが多いです。

 では、この後候補者の頭の中にはどんな情報が残っているでしょうか?

 恐らく、ほとんどの求職者の頭には「条件と知名度」ぐらいしか残っていないでしょう。

もちろん魅力的な条件を提示できること、憧れになるような企業ブランドを持っていることは企業努力の成果ですが、

・条件や知名度だけに惹かれた仕事選びの先に理想的なマッチングがあるのか
・この会社が目指すものの為に貢献したいという気持ちが揺れ動くかどうか

という観点においては非常に不明瞭です。

とはいえ、

「実際頭に残るのは知名度と条件なんだし、結局は条件で決めるんでしょ?」と思われるかもしれません。もしそういった疑問を抱かれた方は過去の記事でも解説しておりますので、あわせてご覧ください。

 

 結論、今の求職者は条件だけで仕事を選ぶことはほとんどありません。

この「条件だけでは仕事を選ばない」という今まで見えていなかった前提を確認することが地方採用における勝ち筋を探る糸口となります。

 何より、条件だけでは本質的な差別化に繋がりません。

 先ほどもお伝えした通り、求職者にとって「本当に自分が求めている企業かどうか」で企業は選ばれる傾向にあります。 逆に言えば、給与や福利厚生といった表面上の条件面では負けていても、選んでもらえる余地があるとも言えます。

地方採用において重要な考え方

 基本的に採用の目的は「共に成長しながら活躍してくれる人材を獲得する事」だと思います。

当たり前ですが、条件を並べただけでは条件が良いからという理由が本音の候補者しか来ません。このままでは採用の目的を果たせるのはまだまだ先になる可能性があります。

 企業側にも同じことが当てはまります。

スキルマッチや経歴マッチを重要視するだけでは、本当の意味での採用マッチングは実現しづらく、想いや価値観、文化を軸に候補者を探したほうが、お互いにとって圧倒的に有意義な採用に結びつきやすいと言えます。

「会社のビジョンに共感できるか、会社のカルチャーにマッチするかどうか」を軸に考えてみるのはいかがでしょうか。

自分たちの想いや価値観で他社と差別化し、「マス向け」ではなく「ピンポイントに絞った情報発信」を意識していただければと思います。