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【中小企業×採用】答えられますか?自社の強み

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2024.02.07

突然ですが、あなたは自社の強みを明確に答えることはできますか?

頭の中に1つ2つパっと思い浮かんだ方もいれば、「強み・・・」と頭を悩ませた方もいらっしゃったのではないでしょうか?

採用媒体や自社サイトに求人情報を掲載する際、多くの企業が、求職者にとって魅力的な企業に映るよう文章の言い回しに気を遣ったり、使用する写真をこだわったりと工夫を凝らしていることかと思います。

しかしながら、昨今多くの企業が「試行錯誤しているものの採用が上手く行かない」「そもそも採用活動を行ううえで何をアピールすればよいのか分からない」といった悩みを持ち、採用活動に苦戦しているのが現状です。

そこで今回は、企業が採用活動を成功に導くカギである「自社の強みを求職者に効果的にアピールする方法」に焦点をあて、ご紹介していきたいと思います。

8割の企業が採用に成功していない

自社の強みを効果的にアピールする方法をご紹介する前に、昨今の企業の採用状況を見ていきたいと思います。

以前、採用活動を行っている企業に対して、「自社の採用計画に対しての採用状況を教えてください」というアンケートを取ったところ、約8割の企業が「順調に採用活動を進めることができていない」と回答していました。

これには、昨今の求職者の価値観の変化が大きく影響していると考えられます。従来では「給与・福利厚生・休日や残業の充実」といった項目が充実している企業ほど求職者の目に止まり、応募が集まる傾向にありました。しかしながら、新型コロナウイルスの流行や物価高などの社会状況を受け、「給与や福利厚生」などは一定の水準に達していることが大前提の条件であり、それに加えて「人間関係・企業文化・スキルアップ」といった項目がいかに充実しているかがよりいっそう重視されるようになりました。

一方で、こうした求職者の価値観に急激な変化が起こっているにも関わらず、新しい採用手法を見出せないまま採用活動に苦戦している企業は非常に多くあります。

そこで、次章では、採用活動を成功させるためのカギである「自社の強みの効果的なアピール方法」をご紹介します。

自社の強みを効果的にアピールする方法 ~求職者を惹きつけるには~

ここでは、採用活動を成功に導くうえでカギとなる「自社の強みをより効果的に求職者にアピールする方法」を以下の5つのステップに分けてご紹介していきたいと思います。

Step1 自社の求めている求職者を明確にする
Step2    3C分析 ~自社、他社の強みと求職者が求めている事を洗い出す~
Step3    ベネフィット ~自社の強みを通して求職者に提供できる価値を考える~
Step4 エビデンス ~求職者にアピールできる根拠を明確にする~
Step5    差別化 ~どの強みで勝負をするかを確定する~

Step1 自社の求めている求職者を明確にする

まず初めに、採用計画を立てる際、自社で必要な求職者像をしっかりと確立させる必要があります。

理由は、無数にいる求職者の中から、自社の社風や雰囲気にマッチした人材を効果的に見つけられるようにするためです。

ですので、ただ単に「〇歳、何年以上の経験、若手」といったスペック重視の人物像を設定するだけではなく、「今までどんな環境にいたのか」「どのようなことを求めて求職しているのか」「いつもどのような媒体やSNSを用いて情報を集めているのか」など、求職者の価値観なども含めたペルソナ(人物像)が浮かび上がるまで具体化していく作業を行います。

求職者像をより具体化していくことによって、その人に「どのような方法で自社のコンテンツを届けるのか」「どのようにすれば自社が求職者の希望を満たしていけるのか」といった、採用活動を進めていく方針も具体化させることができます。

Step2 3C分析 ~自社、他社の強みと求職者が求めている事を洗い出す

次に「3C分析」です。

3C分析とは、競合、自社、求職者の3つ頭文字を取ったマーケティング分析方法で、それぞれの強みや求めている事を洗い出す分析手法です。

これを採用活動に応用していきます。まず給与や複利厚生、文化、やりがいなどといったセグメントに分け、1つ1つの項目ごとに「自社はどのような強みを持っているのか」「他社はどのような強みを持っているのか」「求職者は何を求めているのか」といった3つの要素を洗い出していきます。

実際に図にすると、以下のようなイメージになります。

「自社が戦うべきポジション」と書かれたオレンジ色の部分は「求職者が求めており、かつ、他社は持ち合わせていないが自社が持っている強み」を意味しています。つまりは「差別化できる部分」です。3C分析を通して、「求職者からのニーズがある、且つ自社が持ち合わせている強み」を明確にすることができます。

例えば、「新規事業を立ちあげている最中」「残業時間10時間以内」「社員の距離が近い」とったものなどが挙げられます。

Step3 ベネフィット ~自社の強みを通して求職者に提供できる価値を考える~

3C分析が完成したら、次はベネフィットを洗い出します。

ベネフィットとは「価値」を意味しており、Step3では自社が持つ強みを通して、求職者にどのような価値を提供できるのかをさらに分析するフェーズになります。

例えば、自社に「新規事業を立ち上げている最中」という強みがあるとすれば、「新規事業の立ち上げに携わることで、将来的にどのような経験をしたり、どのような成長を遂げる事ができるのか」といった観点から「変化やスピードに対して柔軟な人材になってもらえる」という価値(将来像)を導き出すことができます。そして、導き出した価値(将来像)を求職者が明確にイメージできることを意識し、具体的な文章に落とし込んでいきます。

このように、自社が持つ強みを通して求職者にどのような価値を提供できるのか明確にする作業がベネフィットの洗い出しになります。

Step4. エビデンス ~求職者にアピールできる根拠を明確にする~

ベネフィットの洗い出しができたら、次はそのベネフィットに対するエビデンス(根拠)を準備していきます。

具体的には、これまでに洗い出したベネフィットを、求職者が一目見て明確にイメージできるような情報がエビデンスにあたります

具体例を見ていきましょう。

例えば、「自分の働き方を自分で決めることができる」というベネフィットが洗い出されたとします。その場合、そのベネフィットを求職者が一目見てイメージできる「キャリアパス/報酬制度の図表」や「実際に自由な働き方をしている社員の1日のスケジュールやインタビュー」などがエビデンスにあたります。

さらに他の例を見ると、「社内の雰囲気が明るく、楽しく仕事できる」といったベネフィットであれば、「社員が笑顔でイキイキと働いている写真」などがエビデンスにあたります。

このように、求職者がベネフィットを具体的にイメージできる根拠(エビデンス)を準備することが本フェーズで行う作業になります。

これまでのフェーズで洗い出されたベネフィットの信ぴょう性を高めるためにも、エビデンスを準備する作業は必須になります。

Step5.  差別化 ~どの強みで勝負をするかを確定する~

最後のフェーズは差別化です。

「差別化なんてうちの会社には無理だ!」「必用なことはわかっているけどできないから困っている」なんていう企業様も多いのではないでしょうか。

3C分析やベネフィットの洗い出し、エビデンスの明確化といったStep4.までで行った作業を踏まえ、改めて自社が差別化できるポイントを策定していきます。
そのうえで、策定した差別化できるポイントをキャッチコピーやコンセプトに落とし込むことがゴールになります。

差別化ポイントを策定する際、重要になるのが以下の3つの考え方です。

1.まずは自社に向き合う
 ・自社のベネフィットを3C分析の「自社が戦うべきポジション」に当てはめる

2.見つからなければ作る
 ・難しく考えたり、偽るのではなく、改めて自社分析を行い、作れそうな部分がないか検討する

3.作れなければ、採用活動のスタンスで差別化する
 ・「カジュアル面談」「定期コンタクト」「独自情報の開示」などスタンスで差別化する

差別化ポイントを、キャッチコピーやコンセプトに置き換えるうえでは、以下の6つの条件を意識すると良いでしょう。

単純性
・とにかくわかりやすく、誰でも覚えられる内容であること

意外性
・聞き手があっと驚くような、インパクトがある内容であること

具体性
・具体的な事例やデータなどをあげて説明すること

信頼性
・第三者からの意見や推薦があること

感動性
・感情に訴えかける内容であること

物語性
・事実の羅列ではなく、心を動かすストーリーがあること

完成図のイメージとしては以下のようなものになります。

まとめ

8割の企業が採用状況に満足していないというデータからも分かるように、昨今の不安定な社会状況の影響もあり、求職者の価値観が大きく変化していることに加え、深刻化する人手不足により、従来よりもいっそう採用活動を進めるのが難しくなっています。

そうした状況下で、「採用媒体はすべて同じ」「他の企業が出している媒体や求人内容だから自社も同じように掲載する」と言った考え方では、効果的な採用活動を行うのは極めて困難だと言えます。

改めて自社と向き合い、3C分析、ベネフィット、エビデンス、差別化をしっかりと洗い出していくことが自社のニーズにぴったりと合う求職者を獲得するうえでは不可欠で、採用活動を成功へと導くカギになります。

採用活動を成功させる第一歩として、まず自社と向き合ってみてください。